建築設計・監理

1.仕事の内容
2.作品紹介


1.仕事の内容

A.基本的な考え方、姿勢
B.どんな建物が得意か
C.設計監理料の目安
D.どの段階から費用がかかるか
E.その他


A.基本的な考え方、姿勢

 建築は普通、一般的には建築主にとって一生に一度あるかないかの高い買い物です。家電製品や車などを買う場合は、既に完成品(商品)がいくつも用意してあり、実物を見たり触ったりカタログでスペックをチェックしたりし、金額と照らし合わせて商品を選ぶことができますが、建築の場合は買う(契約する)時点では実物は無く設計図面があるだけ。どんなもの(建物)ができるのかある程度は分かっているが、実際“かたち”にならないと分からない部分も多い。しかし、実際の“かたち”になってから自分の思っていたものと違うと気付いても、既に“かたち”になってしまったものをやり替えるには多大の費用が発生するし日数もかかる。また、できあがった建物がちゃんとした“商品”になっているのかどうか(構造的な部分や様々な仕様に関して)判断ができない。といったところが、建築に関して“素人”である建築主の方たちの悩みであろうと思います。これは設計についても施工についてもいえることでしょう。
 当社で、業務上最も気を遣っているのは“どんな材料か、どんな機器か、どんな仕組みか、どんな形か、どんなものが出来るのか、事前に少しでも多く建築主に分かって頂きながら業務を進める”という点です。そのためたくさんの資料を提示し、たくさんの説明をします。結果、建築主の方にも多くの時間を割いて頂くことになりますが、実際にはそれほど時間がとれない建築主の方もおられますので、必ず当初の段階で“進め方”について話し合います。
 もう一点、非常に気を遣っているのは当事者である建築主、設計監理者、施工者の3者の間に良好な関係を構築することです。3者それぞれに大事な立場にあり、3者の協力・共同作業の結果、最終的に良い“もの”が出来上がります。その大前提が3者の良好な関係と考えていますし、更に言うならば“もの”が出来上がったらそれで終わりではなく、その後の建物のケア等に関しても“3者の良好な関係”の元に適切な処置がなされるはずです。建築士の立場で言うのは変ですが、どんなにしっかりと設計し、施工されても、竣工後やはり何か出てきます。水の出が悪いとか、空調機の音が異常に大きいとか、建具の開閉がスムーズでないとか…。 独立開業以来、これまでにたくさんの仕事をさせて頂きましたが、建築主の方と悪い関係で終わったことは殆どありません。どなたとも、いつまでも良いお付き合いをさせて頂いています。これは自慢でもあり、誇りに思っています。


B.どんな建物が得意か

  私共はよくこのような質問を受けます。設計事務所にもいろいろなタイプがあり、官庁の仕事が主体の事務所、民間にの仕事が主体の事務所、他のことには少々目をつぶってもデザインを優先する事務所、徹底的にコストダウンを追求する事務所、殆ど同じ建築物ばかりをやっている事務所(マンション建築や寺院建築、医療施設などが多い)等々です。 当社の場合は“何でもできる(ちょっと大袈裟ですが)事務所”です。実際これまでに個人住宅、共同住宅をはじめ事務所ビル、医院、学習塾、レンタルビデオショップ、お寺、教会、倉庫と多種多彩やってきました。構造、デザイン、使い勝手、コストなどのいくつかの要素のどれかに極端に偏ることなく、いつもそれらのバランス(比重の置き方)を考えながらやっています。ですから質問の答は“トラブルが少ないこと”、“バランス感覚”、そして“結果的に建築主の方に喜んで頂けること”です。まったくもって地味なスタイルでアピールしにくいタイプですが、これらは実際とても大切なことで、誇りにして仕事をさせて頂いています。


C.設計監理料の目安

 設計の仕事の中身は、その殆どが“時間”と“手間”ですので、予想される“時間”と“手間”によって決めさせて頂いています。予定工事費が算出できる段階まできた時点で、通常、予定工事費×料率の数字で話をさせて頂いています。
 “時間”と“手間”についていえば、例えば、同じタイプ(間取り)の室がいくつもあるマンションなら詳細図はタイプの種類分だけ描けばいいし、全く同じ平面プランの階(基準階といいます)がいくつもある事務所ビルなら基準階については平面図・詳細図はワンフロア分だけ描けばいいのですが、同じ室や同じ階がない建物だと全階、全室について平面図・詳細図を描かなくてはなりません。といった具合に、同じ規模の建物の設計でもタイプの種類が多いか少ないかで“時間”と“手間”はかなり違ってきます。また、建物の規模が大きいほど、予定工事費に対する料率は小さくなります。
 他にも“時間”と“手間”を既定する要素はいろいろありますが具体的にいいますと、例えば個人住宅の場合、概ね予定工事費の8〜10%、共同住宅の場合、3〜4%ぐらいでお願いしています。(もちろん内容によりこの範囲外の料率の場合もあります) そしてこれらの料率は“設計監理料”であり、設計料と監理料に分けると3/4が設計料、1/4が監理料としています。支払条件は通常、分かりやすく1/4ずつ4回に分けて頂いています。第1回目が契約時、第2回目が基本設計完了時(確認申請提出時の場合もあります)、第3回目が設計完了で第4回目は監理料ですから竣工時です。もちろん、これは原則の話で、現実には建築主の方との話し合いで決まります。


D.どの段階から費用がかかるか

 契約に至るまでの段階で(実際、契約まで至るかどうかも分からない状況で)、多少の計画図面が作成され打合せがなされる中で、建築主の方が費用の発生に関し心の中で心配されるというのは容易に想像できます。このため、当社では必ず最初に次のように申し上げます。つまり、これから先は、費用を頂かないとできないという場合には、その時点でこちらからその旨申し上げますので、何も言い出さないうちは無料ですと。通常、文書で出したりまではしませんが、必要であれば遠慮なく言って頂きたいと思っています。文書で提出するのも全く構いません。概ね、配置図・平面図・立面図・概算工事費の算出までぐらいは無料の範囲でやっています。場合によっては簡単な外観パースも描きます。
 とにかくお互いにストレスが溜まらない進め方でいきたいと思っています。“こんなこと言っていいだろうか”とか“こんなこと聞いていいだろうか”というようなことは迷わず何でも言ってください。とにかく高い買い物をする訳ですから。設計によって、どんな建物が出来上がるか決まってしまいます。施工は極端に言うと設計図に描かれたものを物理的に造る作業です。設計の“商品”は“もの”ではありませんが、そういった意味で、とても重要な仕事です。設計監理料の1〜2%の上下というは、極端にいうと、全体の費用の誤差の範囲といっていいぐらいの額です。設計監理料のわずかな範囲の高い安いよりは、本当にいい仕事をしてくれる(してくれると思われる)設計士を選ぶことが大切だと思います。


E.その他

 当社は設計監理業務に関するトラブルを防ぐため、委託契約書の中に、契約内容に何が含まれていて何が含まれていないかを示す表を独自に作成して盛り込んでいます。契約に含まれる業務と含まれない業務を具体的に箇条書きしているのです。
 また、当社では、新しく建てる建物の設計・監理の仕事だけではなく、既に建っている建物の劣化調査の仕事(1次診断程度)も年間50〜60棟分やっています。この業務を通して、建った後の建物の傷み具合やパターンについて、多種多様ののものを多数、見てきており、“建てた後”への意識も高いと自負しております。




2.作品紹介

 これまでに手掛けた作品を紹介します。下のロゴをクリックして作品紹介のページにお進みください。まだ準備中のものが多いですが、今後、徐々にアップしていきたいと思っています。

作品紹介